働き方・生き方

大企業がリモートワークを嫌がる理由——変われない組織の正体

在宅勤務・リモートワークという働き方が広まって、もう数年が経ちます。

フルリモート、ハイブリッド勤務、フレックスタイムなど、働き方の選択肢は確実に増えました。

ただ、わたしが大企業に勤めていた頃から感じていたことが、今もまだ解消されていないと感じることがあります。それは、

「在宅で仕事ができる環境があるのに、どうして会社はそれを認めようとしないのだろう。」

ということ。

この記事は、経済学のプロでも組織論の専門家でもないわたしが、大企業のサラリーマンを経験する中で感じてきたことを、素朴な疑問を含めて記したものです。

同じようなもどかしさを感じている人に、届いたらいいなと思います。

  • リモートワークが普及した今も、日本の大企業の一部が在宅勤務に消極的な本当の理由
  • 「全員同一待遇」「姿が見えない不安」「成果が見えない」——変われない組織に共通する3つの問題
  • 組織が変わらないなら、働く側が自分の働き方を自分で考える必要があるということ

リモートワークが普及した今も、変わっていない組織がある

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一部の企業ではリモートワークが完全に定着し、オフィスを縮小したり、フルリモートを標準にしたりしているところもあります。

一方で、形式的にはリモートワーク制度を導入しているものの、実態としてはほとんど使われていない、もしくは使いにくい雰囲気が残っている企業もまだ多くあります。

わたしが経験した会社も、後者でした。

「在宅ワーク推奨」という言葉は出ているのに、気持ちよく実践している社員はほぼいない。実際に在宅勤務に切り替えた人が、他の社員から冷たい視線を向けられる。

制度はあるのに使えない。当時わたしが勤めていた会社だけでなく、今もどこかで同じような状況の会社があるのだと思います。

特に日系の古い体質を残す企業では、どうしても一斉在宅ワークへの切り替えが出来ない模様。ダラダラと“方針を決めるための会議”を繰り返し、未だ大きな決定を出せないまま、社員は会社への往復を強いられています。

なぜこんなにも決断ができないor決断が遅いのでしょうか。

Chiru
Chiru
もちろん在宅ワークをすることが出来ない職種や業種の方がいることも重々承知です。直接人間相手に日々業務に従事されている方には本当に頭が下がります。ここでは、わたしと同じように在宅ワークへ切り替えられる職種にも関わらず、企業側の都合で通勤を余儀なくされている方たちへ向けての意見発信とご理解ください。

 「推奨」「要請」で逃げる組織の特徴

「在宅勤務を推奨します」「できる限りリモートでの対応をお願いします」

こういった言葉が上から出ても、どうも歯切れが悪いと感じたことはありませんか?

「推奨」も「要請」も、強制力がありません。

明日から全員在宅、と言い切れない組織は、たいていの場合「万が一何かあったとき、責任を取りたくない」という意識が働いているように思います。

社員のためではなく、組織を守るための言葉。

そう感じてしまうのは、うがちすぎでしょうか。

Chiru
Chiru
もちろん、在宅ワークに切り替えられない職種や業種の方がいることは分かっています。ここでは、切り替えられる環境があるのに組織の都合で通勤を強いられているケースについての話です。

「明日から全社在宅勤務を必須とする。在宅ワークなので、もちろん通常勤務と同等の扱いとする(=給与は発生)。」

経営陣よりこのような通達を受けたとしたら、かなり驚くのではないでしょうか。しっかりとした指示があるというのは、社員として会社に対する信頼度アップにも繋がります。

休業や在宅ワーク時の保証内容などについては、会社や働き方によって様々かと思います。そのため、ここでは企業側が「指示を出すか出さないか」というポイントについて記していきたいと思います。

指示を出さない会社というのは、どうして指示を出すことができないのでしょうか?通達が出たと思っても、在宅ワーク「推奨」や、できる限りの在宅勤務を「要請」等、曖昧な言葉が並ぶばかり。どうにもハッキリしてくれません。

在宅ワークを恐れる人々

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在宅ワークが進まない裏には、昔から働き続けてきた40代、50代の役職付メンバー(中間管理職含む)が大きく関わっていると思います。

実際にわたしが見てきた例をいくつか挙げてみます。以下は、いずれもとある会社での出来事です。

  • 在宅ワークをすると、在宅ワークが出来ない職種の人たちから不平不満が出てしまうため、不公平をなくすための良案を検討中
  • 社員へは現時点で在宅ワークではなく、「在宅ワークをするための練習」を推奨
  • 終日の在宅勤務は原則禁止。午前か午後のどちらかは必ず出社すること
  • 「在宅の練習日」に限って、上司からの不要な電話やチャットが増える

どれも、切実さを感じさせない内容です。

それにしても一体、なぜこのようなことが起こっているのか私なりに考えてみました。ここで共通して言えることは、みんな「在宅ワークになったらどうしよう」と不安だから、ではないでしょうか。

在宅ワークになってしまうのが恐い、と感じる人たちがたくさんいるのだと思います。

 リモートワーク導入を阻む3つの理由

なぜ彼らはリモートワークへの切り替えをこんなにも渋るのか。 もう少し深く考えてみます。

全員を同じ待遇にしようとしている

大きな組織であればあるほど、全員を同じ待遇にするなんていうことは難しいでしょう。それを、「全員同一待遇でないと指示には踏み切れない」と言っているのです。

わたしには、彼らがほとんど実現困難な条件を掲げ、どうしようどうしようと足踏みをしているだけのように思えます。

姿が見えないことへの不安

朝会社へ出社してから仕事が終わるまで、まずは「そこにいる」ということで「仕事にきた」という事実が周知されます。オフィスではそこに姿があるので、たとえ本当に仕事をしていようがしていまいが、仕事をしている感は感じられるのでしょう。

しかし、これが在宅ワークになると、まず本人の姿は見えません。

もちろん各種ツールによって顔を見ながら会議をすることもできますが、勤務時間中ずっとではないですよね。この「社員の姿が見えない」ということに、かなり抵抗感を示す人たちがいるのです。

仕事の成果が見えない・見せられないという人たち

在宅ワークにすると、どうやって仕事の成果を見てもらうんだ!という人たちが多くいます。しかし、そんなものは自分の働き方次第でどうとでもなるのではと思ってしまいます。

クライアントへメールを送る際は上司もBCC:へ入れる、成果物の完成をコミュニケーションツールで知らせる等、少し考えれば思いつくことはたくさんあります。

それでも在宅ワークだと仕事の成果がわからないという方は、きっと「オフィスに居ることが仕事」なんだと思います。ただただオフィスに居て、PCの同じ画面をずっと眺めている人、いますもの。

働く側が、自分自身を守るために知っておきたいこと

組織はすぐには変わりません。

そのことを、わたしは大企業に勤めながら痛感しました。「会社が変わってくれるのを待つ」という姿勢では、自分の働き方はいつまでも他人に決められたままです。

では、どうするか。

ひとつは、制度を積極的に使うこと。在宅勤務制度があるなら、遠慮なく使う。使う人が増えれば、それが「普通」になっていく。

もうひとつは、組織に依存しすぎない働き方を考えること。

フリーランスや副業、転職——選択肢は以前よりずっと増えています。

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会社を辞めたいと思ったら、退職を決断するための心構えと準備の手順朝がくるたびに「今日もまた一日が始まる」と嘆き、夜寝るたびに「また明日も会社に行かないといけない」と絶望する。 春は新社会人の季節...

「今の会社にいるしかない」という思い込みが、働き方の可能性を狭めていることもあります。

自分の時間と人生を、自分でコントロールできる働き方。それを考え始めたとき、わたしは少しずつ変わることができました。

あなたの働き方は、あなたが決めていい。
どうか、一つでも多くの会社が社員のための働き方を勧めてくれますように。

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