今回はこんな悩みについて記事を書きました。
モラハラパートナーと過ごしてきた人にとって、モラハラで受けたダメージというのは相手と離れたからといってゼロになるわけではありません。
いくら物理的にモラハラパートナーとの距離を取れたとしても、心や体にはこれまでのダメージが蓄積されているのです。
お悩みの回答を先にお伝えすると、
あなたはおかしくなんかありません。モラハラを受けた人のダメージは周りが思っている以上に大きなものなのです。
「せっかく相手と離れられたのに、まだアイツのことで悩まなきゃいけないの…」
モラハラによるトラウマからフラッシュバックに悩んでいる場合、そんなふうに思ってしまうのも無理ありません。
どうすればフラッシュバックがなくなるかという前に、まずは今自分自身の体にどんなことが起きていて、それがモラハラによるダメージであるかどうかを確認してみてください。
自分の心と体に耳をかたむけ、どんなアラートを発信しているのか感じてあげることが大切だったりします。
本記事を読んでいただければ、あなたの症状に当てはまるものがあるかもしれません。
トラウマ・フラッシュバック・PTSDとは?
トラウマ、心的外傷とも呼ばれるその症状は、「ちょっとストレスを感じた」程度ではなかなか起こりません。
外傷(トラウマ)体験とは
地震や戦争被害、災害、事故、性的被害など、その人の生命や存在に強い衝撃をもたらす出来事を外傷性ストレッサーと呼び、その体験を外傷(トラウマ)体験と呼ぶ。トラウマ体験となる外傷性ストレッサーには、次のような出来事などがある。
1. 自然災害――地震・火災・火山の噴火・台風・洪水など
2. 社会的不安――戦争・紛争・テロ事件・暴動など
3. 生命などの危機に関わる体験―暴力・事故・犯罪・性的被害など
4. 喪失体験――家族・友人の死、大切な物の喪失などこれらの外傷体験による精神的な変調をトラウマ反応と呼ぶ。
文部科学省にも記載があるように、私たちの生命やその存在を脅かすかなりのストレスを受けたとき、または受け続けたときにトラウマとなるのです。
モラハラは、場合によっては直接殴られたり蹴られたりすることはないかもしれません。
それでも、大災害での被災や戦争などを経験した人と同じくらいに心の傷は大きいもの。
それがトラウマ(心的外傷)です。
フラッシュバックとは、このトラウマによってのちに当時の状況が思い出されたり夢に見たりして、当時の感情や感覚が思い出される(追体験する)現象のことをいいます。
こららが重大なものになると、PTSD(心的外傷ストレス障害)という精神疾患として診断される可能性もあります。
PTSD / 心的外傷後ストレス障害(PTSD / しんてきがいしょうごすとれすしょうがい)
/ Posttraumatic Stress Disorder /生死に関わるような体験をし、強い衝撃を受けた後で生じる精神疾患。日本の総人口の1.3%に生じるとされ、ありふれた病気といえます。3カ月以内に半分以上の方が自然回復するものの、1年以上経っても一定数の方は自然回復しないとする研究もあります。
モラハラのトラウマによって生じるPTSD10の症状
モラハラを受けたトラウマによって生じるPTSDには、さまざまなものがあります。
その人の体験した状況、その人自身の性格などによっても異なるので、自分とまったく同じ症状を経験した人は少ないかもしれません。
そのうち特に多く見られるものをピックアップし、モラハラのトラウマによって生じるPTSD10の症状としてまとめてみます。
症状①過去に訪れたことがある場所に行くとフラッシュバックする
かつてモラハラパートナーと一緒に行ったことがある場所。
- デートで行った映画館
- よく利用していた電車の駅
- 近所のスーパー
このような場所へ行ったとき、当時の嫌だった記憶が突然襲いかかってきます。
そばにモラハラパートナーがいるかのように、
- 映画館でののしられた言葉
- 電車に乗る前にブチ切れたときの顔
- スーパーで散々言われた嫌味
がそのまま見えたり聞こえたりします。
あの頃と同じ状況で同じことを言われているような感覚になってしまうのです。
症状②モラハラパートナーに関連するものを見ると過呼吸になる
モラハラパートナーだけでなく、その人を形成しているすべてがあなたにとってストレスになります。
そのため、モラハラパートナーの
- 学校名
- 地元の地名
- 乗っていた車
- 職業や職種
- お気に入りのブランド
- 好きだったメーカー
こういったものを見たり聞いたりするだけで動悸がし、場合によっては過呼吸になってしまうこともあります。
昔モラハラパートナーが行きつけだったお店、よく身につけていた洋服のブランドなど、それ自体が悪いわけではないのですが、モラハラを経験した人にとっては立派なストレッサーです。
症状③関係のある場所に近づくことができない
モラハラパートナー自体に関連する場所(学校や職場)や嫌な思い出のあった場所など、モラハラに関連する場所に近づくことができなくなります。
少しでも関わりがあるものや場所を避けようとします。
なかでも大変なのが
モラハラパートナーと同じ学校、同じ職場だった場合
です。
登校や出社ができなくなる場合もあるので、自分の人生にも大きく影響してきてしまいます。
症状④モラハラパートナーに関連するものが食べられない
食事にも影響が出ます。
- 相手が好きだった料理
- 相手との嫌な思い出がある料理
そこにほんの少しモラハラというスパイスがあるだけで、二度と食べられなくなってしまう可能性もあります。
元々は自分が大好きだったにもかかわらずです。
悔しいですよね。。
症状⑤何もしてないのに涙が止まらない
感動する話を聞いたわけでもない、悲しい映画を見たわけでもない。
普通に生活しているだけなのに、突然涙が出てくることがあります。
そして、止めようと思っても止まらない。。
それが家だけでなく、学校や職場、街中でも起こってしまうのです。
この「涙が止まらない」という症状は、女性だから起きるというわけではないです。
ガタイのいい一見すると強そうな男性でも、モラハラが原因で涙が止まらないという悩みを抱えていることはあります。
症状⑥メッセージの受信音や着信音が聞こえる(幻聴)
メッセージがきたかと思えば訳のわからない長文メッセージ。
電話がきたかと思えばネチネチ嫌味や怒鳴られるばかりの会話。
モラハラを受けてきた人にとって、相手からのメッセージや電話にあまり良い思い出はないでしょう。
- 長文で送られる自分が正しい、お前が悪いという脅迫状みたいなメッセージ
- 狂ったようにかかってくる電話(着歴数十件)
こんなことを経験すると、モラハラパートナーと離れているにも関わらず
メッセージの受信音や着信音が聞こえる
という症状が出ることも。
これはいわゆる幻聴です。
メッセージなんかきていない、電話なんかかかってないにもかかわらず
「メッセージがきた」「電話が鳴ってる気がする」
と、本当に実際の音が聴こえてしまいます。
症状⑦知らない人がモラハラパートナーに見えてしまう
街を歩いていたとき、突然ドキッとして冷や汗が出た。。
前から歩いてくる人があの人に見えて動悸がおさまらない。
でも、近くにきてよく見てみればまったくの別人、、
なんてことが起こります。
モラハラパートナーと似ている背格好だったり、似ている髪型、同じバッグや洋服なんかでも見間違いが発生します。
赤の他人だと気がつくまで
「あの人だったらどうしよう」「なんでこんなところにいるの」
といった考えが頭をめぐり、パニックに陥ってしまうなんてことも。。
症状⑧眠れない(不眠、悪夢による中途覚醒)
モラハラパートナーから逃れて、物理的には安心なはず。
それなのになかなか寝付けなかったり、モラハラパートナーに関する悪夢を見たりしてたびたび起きてしまうなんてことも、PTSD症状のひとつです。
不眠というのは私たちの体力や気力をどんどん奪っていきます。
症状⑨すべてにおいて自分が悪いように感じる
「Chiruちゃん、これ食べた?(おいしかったか感想聞きたいな〜)」
「明日は雨だから予定してたところ行けなさそうだね(残念だな〜でも仕方ない!)」
家族や友達からこんな言葉をかけられたとき、とっさに
私が悪いんだ。私のせいだ。
と感じてしまうことがあります。
それは、これまですべてのことをあなたのせいにされていたから。
あなたのミスやあなたのせいではないことでも、自分が悪いように感じてしまうんです。
これって性格じゃないの?と思われるかもしれませんが、ひとつのPTSD症状だったりします。
症状⑩モラハラパートナーに強いられた習慣が抜けない
- モラハラパートナーがキレイ好きだったため、たとえ具合が悪くても毎日隅々まで掃除してしまう(少しの汚れも発見されたら攻撃のエサになるから)
- モラハラパートナーが音に敏感だったため、テレビや動画は最小のボリュームで見てしまう(イヤホンをすれば「聞こえなかったのか?」、ボリュームをあげると「うるさい」と言われるから)
理不尽なモラハラパートナーの言い分に対処してきたりすると、それが習慣になっていることがあります。
相手と決別したとしても、自分の中で習慣化してしまった行動が抜けるには時間がかかるでしょう。
別れても怖いモラハラ【恐怖は突然やってくる】
距離を置いたら大丈夫。
別れたら大丈夫。
別居したら大丈夫。
離婚したら大丈夫。
モラハラパートナーから離れられて安全圏へ行ったとしても、突然襲ってくる数々の症状。
それは
いかにモラハラのダメージが大きく、あなたの中でトラウマとなっているか
ということ。
でも、もしかしたらそれはあなた自身が発している大切なアラートなのかもしれません。
モラハラのトラウマに悩んでいる人は数知れない【あなただけじゃない】
自分でもおかしいと思うくらい「変な」症状があると心配になりますよね。
私も聴こえるはずのないモラハラパートナーの怒鳴り声が聞こえたときは
「ついに幻聴が聴こえるようになってしまった。。」
と嘆いた経験があります。
モラハラのトラウマに悩んでいる人はたくさんいます。
それは日本だけでなく世界中にも。
まずは自分の体が発している警告にしっかりと耳をかたむけ、自分が大きなダメージを負っている、だから労ってあげる必要があるんだということに改めて気づいてみてください。
あなたはたくさん頑張ってここまできたはずです。
いつか、もっと強く優しく美しいあなたになるときが必ずくるから、そのときまではゆっくり傷を癒しましょう。
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