はじめてこのブログに辿り着いた方には、はじめまして。
何度も足を運んでくださる方は、ご無沙汰しております!
元々新卒入社した大手IT企業でエンジニアをしていましたが、周りの心配も振り切り、私は退職の道を選びました。
大企業を辞めたくても辞められず続けているの中には、「辞めた後どうなるのかわからないから怖い」と見えない恐怖を感じている人も少なくないと思います。
私もそうでした。
新卒から勤め続けた大企業を退職するなんて人生の一大事。
何ヶ月も悶々と悩んでました。
でも、一歩踏み出して自分で辞めたこと。そして辞めた先を見たからこそ、わかったことがあります。
人間は「何を得られるかわからない」より、「何を失うかわからない」ということの方が怖かったりする生き物。大企業を辞めたら何を失うの?ということを知れば、留まるにしろ辞めるにしろ、自分で決断する素材になるはずです。
2020年も終わる頃、私は新卒から勤め続けた大手IT企業を辞めました。と同時に、サラリーマンとしてひとつの会社に属することも辞めてみました。いわゆるフリーランス(個人事業主)へ。
不況が予測されるこの時期に大手上場企業を辞めるなんて!
安定した大手の仕事を捨ててまでやりたいことがあるの?
と、おおむねこのような反対派の意見を多く聞きます。
彼らの言いたいことはとってもよく分かります。でも、もちろんそれらも自問自答した上で退職に至ったわけです。
そこには「辞めることを決断した」明確な理由が存在しました。
大企業を辞めようと決意した主要ポイント
- この先ずっと同じところで働き続けるのがつまらなく感じた
- 組織内に目指したいと思える人がいなかった
- 大企業の看板がなくても、社会で通用する自分で在りたかった
- 通勤することの意味が感じられなくなった
- 場所にとらわれず働くことで、多くの選択肢を得られるようにしたかった
- ひとつの場所でやりきった感があった
行先の違いと自分という人間の市場価値を知りたかったから
ある程度所属組織についてもわかってくると、自分の行先を見るようになります。この組織に居続けた場合、自分が向かう場所はどこなのか?
でも、この先自分が向かうであろうポジションの人たちを見ても、どうもカッコよく見えない。輝いて見えない。
ひとつの場所で頑張り続けることはすごいことだけど、それをこの先数十年続けることを想像すると、私にはつまらなく感じてしまったんです。
それと同時に、10年以上ひとつの会社でしか経験がない自分に不安を覚えたことも退職の決意を強くさせました。
この会社が無くなったとき、自分は市場でどのくらいの価値があるのか?会社という後ろ盾がなくても、自分の力でお金を稼ぐことができるのか?
大企業の場合は副業が許されていない場合も多いため、異なる分野の仕事に挑戦する機会もなくしていたりします。
この考えが出始めると、大手企業に居続けるということに不安すら抱くようになります。
そして、退職という決断をしました。
長年大手企業に勤めて感じたメリット・デメリット
新卒から10年以上働き続けた会社は、大手上場企業と呼ばれるIT企業。
そんな大手企業で右も左もわからない学生気分の頃からここまで長く働き続けてこれたのは、もちろんたくさんのメリット=得られたものがあったから。
それはつまり、辞めて失ったものでもあります。
個人事業主になったからこそ、大手企業の良いところも客観的に見れるようになりました。
大手企業で得られていたこと=辞めて失ったもの
- 先輩や上司など困ったときに聞く先・指導者が存在する(不明点の解明が早い)
- 取引先の対応が丁寧なことが多い(企業のネームバリューによる後ろ盾)
- マニュアルや資料などのデータが揃っている(過去資産の豊富さ)
- 規模の大きな案件に携わることができる(企業の体力)
- よっぽどのことがない限り、解雇されない(安心感)
- 整っている福利厚生(安心感)
- 毎月きちんと支払われる給与(安心感)
私としては、新卒で大手企業に入社したのは良い選択だったなと感じます。
何もわからない状態から研修や同行を通じてゆっくり成長させてもらえたこと、わからないことがあればすぐに先輩や上司に相談できたこと。これは、リソースが少ないベンチャーだとなかなか難しいことです。
そして、マニュアルや資料が揃っていることも大きいメリットでした。
今でこそネットで調べれば多くの情報が溢れていますが、それでも機密性の高いもの・有益な情報は社内だけで共有されているものがたくさんあります。
ネットの情報だけでは見つけられない情報も、大手企業だと実績として資料にまとめられていたり、経験として上司や先輩、同期や他部署の人が知っていたりもします。
サラッと聞いて教えてくれる=答えを知っている人がいる環境というのは、大手企業だからこそかもしれません。
つまり、大手企業を辞めて個人事業主になった私は、実際にこれらを失ったということになります。
辞めて得たもの=大手企業では得られたなかったこと
失ったものもあれば、辞めて得たものもあります。
- 時間の余裕(通勤に時間を取られていた)
- 服装の自由(スーツなどのドレスコードが厳しかった)
- 様々な仕事を掛け持ちする自由(副業禁止だった)
- 新しいことへの挑戦(改革を嫌がるなど新しいことを取り入れづらかった)
- 嫌な慣習からの離脱(個人の力では変えられない慣習があった)
- 新鮮さ(同じ仕事の繰り返しによるぬるま湯状態になっていたから)
新しいことを取り入れづらいというのは、在宅勤務などの働き方にも影響します。
最近では在宅勤務を取り入れ始めた大手企業も多いですが、それでも全社フルリモートワークに切り替えた会社は少数派じゃないでしょうか。
決められたドレスコードも、「なぜこれは着たらダメなんだろう?」と疑問に感じる項目が多かったりします。
女性社員は靴下禁止
とかね。
なんで女性社員は靴下を履いたらいけないの?なんて理由はわかりませんが、大手企業というのは歴史ある会社も多いので、古い慣習から抜け出せないところもたくさんあるのでしょう。
私としては、通勤がなくなったことによる時間の余裕が、辞めて得たものの中で一番大きかったと思います。
時間は有限である
一般的にサラリーマンというのは、決めれた時間に出社し、就業時間を守り、決められた時間以降に退社する。もちろん、そこに通勤がプラスされます。
さて、時間に関する価値観についてちょっと考えてみましょう。
ひとつのタスクを同じ仕事量・難易度とした場合、次のうちどちらの社員の生産性が高いと思いますか?
- Aさん:1日で7つのタスクを定時前に終わらせた社員
- Bさん:1日で1つのタスクしか終わらせていない社員(残業しても終わらない)
おそらく、大企業を辞めようか考えている人はほとんどがAさんと答えるでしょう。
そこに、こんな情報も追加してみます。
- Aさんは、効率良くやるべきことを終わらせたのに帰れない(定時を過ぎていないから)
- Bさんは、残業をしていることが評価されて1の社員より給与が高い
生産性の高い人がこの追加情報に遭遇した場合、多くの場合が「やってらんねーよ」という気持ちが生まれると思います。
これは、「生産性の高い人が評価されない慣習」によるもので時間に対して高い価値を持っている人にとってかなり大きな葛藤ポイントになります。
時間に対する価値観が所属している企業と大きく異なることも、大企業退職を決意するポイントだったりします。
大企業を辞めて失うものはもちろんあります。
でも、それが得たいものと比べて自分にとってどの程度大きな問題か、が大切なんだと思います。
大企業を辞めた結果
結論、後悔はまったくありません。
会社が一部負担してくれていた保険料も年金も自分で払わないといけないし、毎月の収支を管理して確定申告だってしなきゃいけない。
今いただいている仕事だっていつ無くなるかわからない。
保証なんて何にもありません。
それでも、これまで大企業を辞めなきゃ良かったと思ったことはないです。
大企業しか経験のない人が退職して個人事業主になると、短期間で多くのことを学びます。(学ばないとやっていけない)
税金などお金の管理、会計業務、仕事の取り方受け方など、これまでは他の人がやってくれていたことをすべて自分でやる必要があるからです。
私はそれを学べただけでも良かったなと思ってます。
これまで井の中の蛙で、どんなに無知だったかを思い知ったともいえますが。。
大企業を退職すると「もったいない」という言う人が少なくないですが、それはどうでしょう?
あえて大企業からの退職を選ぶ人だって多い時代。
何が「もったいない」かは自分でしっかりと考えて、決断していくことが大切なんだと思います。
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