モラハラ・DVパートナーとのトラブルにお金の問題はつきもの。切っても切れない関係なうえ、悩みが多いトピックでもあると思います。
暮らしの中でお金をせびられる、あなたの保有資産がいくらあるのかを調べようとするなど、お金に関する不安は精神的にも疲れますよね。
お金に関する不安を感じているとき、「これってモラハラなの?」と自分でも判断しがたい状況に置かれていることが多かったりします。わたし自身も経験があるのですが、モラハラ・DVの支配は確実にお金の面にも及びます。
たとえば、毎月のお給料を全額渡すように求められる。生活費を渡されない、または渡されても使い道を細かく報告させられる。あなたの口座残高を定期的に確認しようとする。「俺(私)が稼いできたんだから」と言い、家計の主導権を完全に握ろうとする——。
こういった行為は「経済的DV」と呼ばれ、2024年の配偶者暴力防止法改正以降、法律上もDVとして認められやすくなっています。
身体的な暴力がなくても、お金を通じた支配や恐怖は立派なDVです。「大げさかな」「自分が悪いのかな」と思わなくていい。あなたが感じている不安は、正しい感覚だと思います。
そして、お金に関する話題は親や友達には言いづらかったりもします。
今回は、モラハラ・DVパートナーからお金を取られそうで怖い!という悩みを抱えているあなたに向けて、自分の保有資産は守れるのか、お金を守るにはどうしたらいいか、いくつかのポイントをお伝えしたいと思います。
2024年以降、DVの定義が広がり、経済的DVも認知されやすくなっていますが、個人の体験談による部分もあるため、情報が最新ではない・細かい内容が少々異なる可能性もあります。資産に関する詳細は、専門家に確認いただくことをオススメいたします。
- 婚姻関係の有無によって、自分のお金・資産の扱いがどう変わるのか
- 財産分与の対象になるお金・ならないお金の違い(共有財産と特有財産)
- モラハラ・DV夫からお金を守るために、今すぐできる具体的な行動
まず自分の資産を把握する——お金・口座・不動産
資産といって真っ先に思いつくものがお金(手元にある現金や口座預金)だと思います。
しかし、実際資産にはお金以外にも様々なものが含まれています。家や車、株や債券なども資産と呼ばれるものです。
まずは、今あなたがどのような資産をどれくらい保有しているのかを把握しておきましょう。
親から譲り受けた知らない土地があったり、会社で自動的に加入していた企業型拠出年金など、自分が資産として保有しているものはしっかり把握しておいて損はないはずです。
銀行口座については、どの銀行のどの口座にいくら預金があるのか、記帳をして常に最新の情報を知っておくことが大切です。
その資産、すべて本当にあなたのもの?
さて、資産は洗い出せたでしょうか?
資産といっても、そのすべてをしっかりと把握している人は意外と少ないようです。チェックしてみると、「こんなものもあったのか」なんてことが出てくるかもしれません。
兎にも角にも、保有資産の洗い出し、お疲れ様でした!
では、ここで問題です。
確認した資産ですが、すべて本当にあなたのものですか?
既婚か未婚かで、資産の扱いはまったく違う
質問に対する回答ですが、実はあなたがパートナーと婚姻関係にあるか否かで異なるのです。
- 婚姻関係にない場合:あなたの資産はあなただけのものである
- 婚姻関係にある場合:あなたの資産はあなただけのものではない
つまり、パートナーがモラハラ・DV彼氏である場合、あなたが貯めたお金やあなたが買った車は、すべてあなたのものです。
パートナーと別れるときも、あなたの資産が取られるなんてことは基本ありません。(カードや通帳を盗られて不正に引き落とされたりしていなければ)
ただ、パートナーがモラハラ・DV夫であれば、あなたが貯めたお金やあなたが買った車も、あなたとモラハラ・DV夫のものになります。
そうです。どんなに人格否定をされても、どれだけ殴られても、あなたが一生懸命貯めたお金や頑張って購入した車も、モラハラ・DV夫の資産(財産)でもあるのです。
ということは、離婚になれば財産分与が発生します。
ただ、もう少し細かくみていくと、財産分与の対象になるものとならないものがあります。
それが、共有財産と特有財産です。
共有財産:結婚してから夫婦で築いた財産のこと
特有財産:結婚前に保有していた財産のこと
基本的に、共有財産は財産分与の対象です。しかし、特有財産と呼ばれる結婚前にあなたが貯めていたお金などは、財産分与の対象外になるのです。
もちろん、購入方法や支払い方法、使用状況など、場合によっては対象になることもゼロではありませんが、基本的には対象外です。
モラハラ・DV夫からの「離婚してやる!」という声に怯えている場合、離婚時の財産分与にハラハラしている人も多いのではないでしょうか。
お金などの財産を守る方法は?
財産分与ですが、実は無いところからは取れません。
つまり、モラハラ・DV夫が家計の口座から勝手にお金を下ろしてギャンブルに使ってしまった!家計の口座がすっからかん!なんて場合、いくら結婚後に二人で貯めたお金だったとしても、無いところからお金を分けることはできません。
たとえそれが、本当はモラハラ・DV夫が「ギャンブルで負けちゃった」という嘘をつき、自分の懐に入れていたとしても、です。
共有財産は離婚時に財産分与対象となってしまうため、事前に守ることは難しい場合が多いと思います。ただ、上記のようなパターンにならないためのささやかな対策として、通帳やカード、印鑑など、家計の口座はあなたが管理していることをオススメします。
お金を勝手に無くさないよう管理をすることで、最低限必要なお金は財産分与対象として残すことができます。
しかし、ものは考えよう。
「無いところからは取れない」という原則に則ると、もしあなたがお金を使ってしまったとしても、無い場合は取れないのです。
家計の口座である共有財産は掌握が難しいかもしれませんが、たとえば毎月少しずつ別の口座にお金を移しておくなんて手もあるでしょう。(別の口座の存在は死守です)
もちろん、相手が信頼できる誠実な夫であればそんなことをしたら信頼関係にヒビが入る可能性が高い。やめておいた方がいいでしょう。でも、今悩んでいるあなたの相手は誰でしょうか?信頼できる夫でしょうか?
心を強く持ち、ぜひぜひ自分優先で考えてみてください。
そして、あなたが頑張って結婚前に貯めたお金は、いくら財産分与の対象外といっても、絶対にモラハラ・DV夫に存在を知られないようにしておきましょう。
もし知られている場合も、「使っちゃった」「親に仕送りしちゃった」など上手いこと言い、くれぐれも本当の金額なんて伝えませぬよう。
そうすれば、少なくとも結婚前にあなたが貯めたお金だけは守ることができるのです。
お金を守ることと、逃げる準備をすることは、実は地続きです。
いざ別れたい・逃げたいと思ったとき、お金がないと身動きが取れない——これがDV被害者が関係から抜け出せない大きな理由のひとつでもあります。
だからこそ、まだ今すぐ決断しなくていい段階であっても、少しずつ「自分だけのお金」を確保しておくことに意味があります。
わたしが当時やっていたのは、小さな金額を現金で少しずつ手元に残しておくこと。口座に残るとバレるリスクがあったので、現金で持つようにしていました。信頼できる身内に預けるという方法もあります。
また、もし仕事をしていない場合、今後のことを考えると収入の手段を少しでも持っておくことも大切です。パートや在宅ワークなど、小さな一歩でも「自分で稼げる」という感覚が、精神的な安定にもつながります。
今すぐ大きなことをしなくていい。ただ、「いざというときの自分」のために、今日できる小さなことをひとつだけやっておく。それだけでだいぶ違います。
ひとりで抱えているなら、配偶者暴力相談支援センターや女性相談窓口に、匿名で電話するだけでも情報が得られます。
昔の人の、金の切れ目が縁の切れ目とはよく言ったものです。
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