モラハラ・DV

知らない間に離婚届を出される前に——「離婚届不受理申出」で自分を守る方法

結婚生活を送っている人たちのうち、一体どのくらいの人が離婚を考えたことがあるのでしょうか。

おそらく、婚姻歴のある人は皆“一度くらいは頭によぎったことがある”のではないでしょうか。それを実行に移すかどうかは別として。

厚生労働省の最新データ(2024年)によると、離婚件数は18万5,904組。前年よりわずかに増加しているそう。ただ、やはりいつの時代にも結婚する人がいれば、離婚する人もいるわけです。そして、話し合いの末にお互い納得して別れる人もいれば、そうでないパターンもあります。

ここでは、あなたが別れたくなくてもパートナーから勝手に離婚される可能性があるということ、そしてその対策についてお伝えしたいと思います。

  • 離婚の意思がないのに、モラハラ・DV夫が勝手に離婚届を提出できてしまう仕組みと理由
  • 署名の確認がされないなど、多くの人が知らない離婚届の見落としがちな3つのポイント
  • 勝手に離婚届を出されることを事前に防ぐ「離婚届不受理申出」の手続きと、よくある疑問への答え

モラハラ・DV夫が、あなたの知らないうちに離婚届を出せてしまう理由

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結婚された方ならご存知のとおり、婚姻届は夫婦となる二人で署名捺印し、役所に提出することによって成立します。

となると、やはり別れるときも基本的には同様の手続きが発生します。本来であれば離婚届は夫婦関係を修了する二人が署名捺印し、提出する必要があります。

ただ、たとえば相手がモラハラ・DVパートナーだった場合、あなたは離婚する意思がなくても、相手が勢いで別れてやる!と躍起になっていたら。彼が手段を知っていれば、あなたの意に反して勝手に離婚されてしまう可能性もあるのです。

モラハラ・DVパートナーの場合、普通の離婚とは話が違ってくることもあるでしょう。離婚届の提出、そこにはいくつかの見落としがちなポイントがあります。

知らなかった!離婚届に関する見落としがちなポイント

Chiru
Chiru
婚姻届の書き方や提出方法については某雑誌などでも丁寧に説明されていたりしますが、離婚届の書き方や注意事項なんて大々的に説明されてないですよね。

1. 夫婦揃って離婚届を提出しなくても良い

婚姻届は、一般的に夫婦となる二人が提出するもの。

結婚すると決めた状態であれば、おそらくそこに大きないさかいは無く、二人で提出することについて双方にあまり問題はないと思います。がしかし、離婚届の場合は違います。

離婚届を出す夫婦は、言葉を交わすことも難しければ顔を合わせることもできない場合があります。そのような状況で、二人揃って離婚届を提出するというのは酷なこと。

ということで、夫婦のうちどちらかが提出、もしくは委任状を書いて代理人が提出することも可能です。

2. 署名捺印は本人のものかどうか確認されない

婚姻届の場合、夫の欄に夫となる人が、妻の欄に妻となる人がそれぞれ署名捺印をします。そして、証人として20歳以上の男女2名が署名捺印すれば提出可能です。(もちろん、その他戸籍謄本等の書類が必要だったりしますが、ここでは割愛します。)

この署名捺印、もちろん離婚届にも必要です。夫の欄に夫をやめる人が、妻の欄に妻をやめる人がそれぞれ署名捺印します。そして、証人欄にも婚姻届と同様20歳以上の男女2名が署名捺印すれば提出可能です。

・・・そうです。署名捺印されていれば提出可能です。つまりこのとき、「本当に夫が書いたのか、妻が書いたのか」「本当に証人者が署名捺印したのか」ということは確認されません。

3. 不備が無ければ受理される

上記の内容含め、離婚届内の項目に必要事項が漏れなく書かれていることが大切です。つまり、各項目に不備が無いと判断されれば受理されるのです。

これらのポイントをまとめるとこうなります。

  • 夫が勝手に離婚届を提出しに行ける。もしくは夫が代理人に頼んで提出することも可能
  • 夫が勝手に離婚届に記載して必要事項を埋めることが可能
  • 役所で記載事項に不備がないと判断されれば、離婚届は受理される
Chiru
Chiru
自分は何も知らなかったとしても、離婚届が受理されれば一旦そこで離婚が成立してしまいます。

万が一勝手に提出された離婚届が受理されてしまったら・・・

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あなたに離婚の意思が無いまま勝手に離婚届が提出され受理されてしまった場合、残念ながら一旦その離婚は認めれらたことになります。戸籍上は離婚したことになるのです。

ただあなたに離婚の意思がなく、離婚届がパートナーによって勝手に書かれて提出されたものであれば、その離婚は無効であることを申し立てることができます。

しかし、この手続きは簡単に済むものではありません。あなたは、この手続きに多くの時間を費やすことになってしまいます。

では、パートナーから勝手に離婚届を提出されても受理されないようにするにはどうしたら良いのか?・・・先手を打ちましょう。

パートナーから勝手に離婚されないための対策

役所へ行き、「離婚届不受理申出」を提出すること

モラハラ・DVパートナーから勝手に離婚されそうな状況にある場合、早めにこの不受理申出を提出することをおすすめします。これを提出しておけば、万が一パートナーが勝手に離婚届を提出したとしても、役所で受理されることを防げます。

つまり、「先手を打つ」と言っても、何か難しいことをするわけではありません。

わたし自身、この不受理申出を実際に提出した経験があります。

提出する前、正直なところ少し迷いました。「こんなことまでしなきゃいけないのか」という気持ちと、「やっておかないと後悔するかもしれない」という気持ちと。

結局、最終的には提出することにしました。役所の窓口に行って、「離婚届不受理申出を提出したいのですが」と言うだけ。拍子抜けするくらい、あっさりした手続きでした。

その日の帰り道、少しだけ気持ちが落ち着いたことを覚えています。

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「最悪の状況」を防ぐ手を一つ打てた、という安心感。小さなことでも、何か手立てができると分かっているだけで、こんなに違うんだと思いました。特別な準備は必要ないし、相手に知られることもない。(相手に通知が行くことはありません。)

「もしかしたら必要になるかもしれない」と思った時点で、動いておくことをおすすめします。

離婚届不受理申出で気になるポイントはこちら。

1. 相手の署名捺印が必要?

不要です。あなた一人で記載して提出することができます。

2. 本籍地が遠方・・・どうやって提出すればいいの?

近くの役所に提出すれば大丈夫です。どこで提出したとしても、夫婦の本籍地に転送されます。

3. 提出してからいつまで効力があるの?

以前は不受理申出が受理されてから6ヶ月という制限があったようですが、法改正により有効期限の制限はなくなっており、取り下げをするまでの間は無期限に効力が続きます。

よって、不受理申出を取り下げるまで、それは効力を持っていることになります。※取り下げ時も手続きが必要です。

知識が、あなたを守る最初の一歩になる

モラハラ・DVパートナーというのは、あなたの意思に関係なく勢いで離婚に踏み切る可能性があります。あなたに離婚するという意思があったとしても、まだ諸々の準備ができていない場合もあるでしょう。

そんな万が一の時に困らないために、不受理申出を提出しておくことは自分の身を守る一つの手段になるのではないかと思います。(ちなみにわたしはある時期に不受理申出を提出し、離婚届提出時に合わせて取り下げを行いました。)

この記事を読んで、「こんなことができるなんて知らなかった」と思った方もいるかもしれません。わたしもそうでした。

結婚する前に、離婚届の仕組みなんて調べないですよね。調べる必要があるとも思わない。でも、知っておく必要がある人は確実にいて、知っているかどうかで大きく状況が変わることもある。

モラハラやDVの家中にいると、日々の対応だけで精一杯になることが多いと思います。先のことを考える余裕なんてない、という方もいるでしょう。

それでも、自分を守るための情報は、できるだけ早めに持っておくに越したことはありません。「備えておいたけど使わなかった」なら、それが一番いい。

でも「知らなかったから間に合わなかった」は、避けられるなら避けてほしい。

離婚届不受理申出は、あくまで手段のひとつです。これを提出したからといって、すべての問題が解決するわけではありません。

ただ、自分の意に反して事が進んでしまうことを防ぐための「一つの選択肢」として、知っておいてほしいのです。

あなたの人生の決断は、あなたが主体になっていい。そのための情報を、これからも届けていきたいと思っています。

あなたのことを一番に守れるのはあなたです。知識や情報はきっとあなたの役に立つでしょう。

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