モラハラ彼氏やDV夫と別れを決意するまでには、人の数だけの物語があると思います。
身の危険を感じてすぐにでも決断しなければならなかった人。
「別れよう」「もう少し頑張ってみよう」を繰り返してなかなか踏み切れない人。
頑張りすぎてしまって、もはや自分の力ではどうすることもできなくなってしまった人。
どれが正しくてどれが間違っているかなんて、誰にもわかりません。
渦中で悩み苦しんでいる人は、誰しも
早く穏やかに暮らしたい
と願っているだけ。
私の場合も、ただただ「穏やかなふつうの暮らし」を求めて苦しんでいたひとりです。
今となっては自分なりの「穏やかなふつうの暮らし」を体感することができていますが、当時はその定義さえも曖昧でした。
「穏やかに暮らすってどうするの?」
「ふつうの生活ってどんなだっけ?」
当時は何が幸せで自分がどんな暮らしを望んでいるのかさえもわからない状態でした。
自分でも気づかないうちに、精神へのダメージは蓄積されていたのでしょう。
そしてもっともダメージを受けたのが
一番味方であってほしい相手が敵に変わってしまったこと
私にとってそれは、人間不信に陥ってしまうには十分な理由だったように感じます。
今思うこと。
人生をともに過ごす人が自分の一番の敵になってしまったのなら、そこに幸せは見出せない。
あるのは常に戦闘態勢で張り詰めている自分と日に日に大きくなる不信感だけ。
共闘する仲間であってほしい人が敵になってしまったのなら、戦うか逃げるかしかないのかもしれません。
前回のお話はこちら。
モラハラ夫からの攻撃【繰り返されるハラスメント】
実家への避難頻度が増えてきて、もはやモラハラ夫と暮らす家に住んでいるのか実家に住んでいるのかさえ曖昧になってきた頃。
自分を守るため物理的に距離を保ちはじめたことから、「これで少しは心の回復も追いつくようになってきたのでは?」と錯覚を起こすようになっていました。
心が麻痺してしまって、ほんの少しモラハラ夫と離れただけでなんとか自分の心を抑え込む方法を身につけてしまったように思います。
もちろん当時の「自宅」は彼と暮らす家だったので、数日実家にお世話になってはまた戻るという生活が続いていました。
- 突然モラハラ夫のスイッチが入ってケンカになる
- 怒鳴られて暴れられるもしくは置き去りにされる
- 実家に避難する
- モラハラ夫が落ち着いたであろう頃に自宅へ戻る
いくら自分の心を抑え込んだとしても、ハラスメントは繰り返されます。
おそらくこれを読んでいる方もお察しのとおり、数日距離を取って戻ったからといってモラハラ夫が変わるはずはありません。
モラハラは、おさまるどころか徐々にひどくなっていきました。
- 常に誰かと比較され、彼女たちと比べてお前はダメだと罵られる
- 物に当たる回数が増える(壁を殴ったり物を蹴ったり)
- 無視の期間が長くなる(無視期間は部屋の中ですれ違うときも触れないように避けられる)
- キレると毎回離婚を迫られる(離婚理由はこちらに原因があるとのこと)
これらを繰り返せば、普通なら離婚しようと思うかもしれません。
でも、当時の私はそれでも別れないように頑張らなきゃと思っていたんです。
そしてそんな私の気持ちをモラハラ夫は敏感に察します。
「こいつは俺が何をやっても別れる気はなさそうだな」と。
別居をしても続くモラハラ夫との心理戦
ご飯は喉を通らず、夜も眠れず、どんどん正常な判断もできなくなってきました。
当たり前ですよね。
自分としては「普通」に過ごしているつもりが、何をやっても嫌味しか言われない。
認められることはなく、いつも「お前が悪い」「お前のせいだ」と責任転嫁される。
そんな状況では安定した精神が保てるはずもなく、次第に仕事にも支障が出てしまうように。。
仕事中もモラハラ夫から送られる長文のLINE。
ダメ出し、第三者との比較、人格否定、ときどきよくわからない「俺様ってすごいポエム」。
仕事中にスマホが震えるたび、心がざわついて冷や汗が出てしまう。
一度、長期間物理的に距離を取らないとダメだ
何かしら理由をつけて、長期間実家でお世話になることにしました。別居です。
しかし、どうにか物理的に離れてもモラハラ夫の攻撃は止まらなかったのです。
それはまさしく心理戦。
- 「お前が勝手に出て行ったんだから、お前が原因で離婚だ」
- 「俺はお前の収入を知る権利があるから、すべての通帳を見せろ」
- 「勝手に行動してよく被害者ヅラできるな、本当に性格が悪いヤツだ」
数々の暴言を吐いたかと思えば、
- 「お前がいなくなって、やっぱり寂しい」
- 「俺の奥さんはお前しかいない」
- 「出先でもいつもお前の顔が浮かぶんだ」
舌の根も乾かぬうちに甘い言葉をささやく。
側から見ればなんだコイツ??と思うような言動でも、どうしても心揺さぶられてしまう自分がいました。
訴える?モラハラ離婚を弁護士に頼むかどうか
物理的に距離を取ってから数週間。
自分の荷物を取りに行くため、彼のいない隙を狙ってこっそり自宅へ行ったときのこと。
いつもは気にならない彼の収納ボックスが、なんだか無性に気になります。
第六感、女の直感というのは怖いですね。
そこには彼が集めていたものが詰め込まれていました。
- 風俗のメンバーズカード
- 私の所得証明書
- モラハラ夫の診断書
風俗のメンバーズカードは置いておきましょう。
問題は、残りの2つです。
モラハラ夫の取得物①:妻の所得証明書
所得証明書は、市区町村が発行する『所得額』が記載された書類のこと。所得額とは、各年(1月1日~12月31日)の収入(年収)から必要経費(会社員の場合は給与書等控除額)を差し引いた金額で、市区町村などが住民税(市区町村税・県民税等)を計算する際の基準となります。
基本、所得証明は本人の申請でしか取得ができません。
配偶者が相手の所得証明を取得することができるのでしょうか?
調べたところ、「委任状」と「代理人の本人確認書類」を用意すれば、代理での取得が可能とのこと。
なるほど。たしかに代理での取得が必要な場合もありそうです。
しかし私の場合、委任状を記載した覚えはありません。
おそらく、モラハラ夫が委任状を偽装して私の所得証明を取得したのでしょう。
なんのために?
これはきっと、離婚時の財産分与のためだと思われます。常にお金のことを気にしていた人でしたから。
モラハラ夫の取得物②:モラハラ夫の診断書
診断書といってもいろいろあります。
病気の診断や怪我の診断。会社や各組織に提出しなければならない場合もありますよね。
モラハラ夫の場合は、モラハラ夫が怪我をした際の診断書を取得していたようです。
大きな怪我をしたかって?
いいえ、そんな記憶はありません。
しかし、診断書の中身を見てハッとしました。
私たちはたびたびケンカをしていたので、お互い押したり引っ張ったりということもありました。
彼はその中のひとつを理由に病院を受診し、わざわざ診断書を作成していたようです。
なんのために?
これは、離婚時に慰謝料請求を目論んでいたからだと思われます。
モラハラ離婚で弁護士に依頼をするか?
彼のやっていることはあまりにも稚拙でした。
身勝手で保身的。
自分のやったことを棚に上げて、なんとか自分を守ろうと必死だったようです。
弁護士に頼めばこちらが勝てたかもしれません。
しかし、私は弁護士に頼むことはしませんでした。
「依頼しない」と決めたのは、次のような理由からです。
大切な時間を奪われる
協議離婚以外の場合も、最初は調停からスタートすることがほとんどです。
いわゆる「第三者を交えての話し合い」です。
もちろんこれが一回で終わることはほとんどありません。
最初の調停はx月x日、次はx月x日・・・
モラハラ夫という話し合いのできない相手に、多くの時間を割かなければなりません。
運よく調停でカタがつけば良いほうですが、裁判になった場合はさらに多くの時間を要することとなります。
自分の気持ちが変わるかもしれない
モラハラ夫との関係に長い時間悩み、正常な判断ができなくなっている段階までくると、「離婚」を決めるという決断が本当に難しくなってきます。
- ここまで頑張ってきたから、もしかするとこのあと変わるかもしれない
- 離婚する選択肢以外にも道はあるかもしれない
- ここまで離婚に躊躇するのは、まだ気持ちが残っているからかもしれない
揺らぎ続けている状態で長期間にわたりモラハラ夫と交渉を続けた場合、「離婚しない」という道を選んでしまいそうなのが怖かったのです。
パートナーを信頼できないまま続ける関係
モラハラ夫の集めていたものたちを発見して、全身の血が一気に引いたのを覚えています。
うまく言葉で表せませんが、頭の先からつま先まで冷たく空洞になったような感じ。
周りの音が遥か遠くに聞こえているみたい。
目の前もモヤがかかったように、見えてはいるけど目には何も映らないといった感じでしょうか。
それだけ大きなダメージだったんだと思います。
自分だけ関係性を良くしようと頑張っても、モラハラ夫は常に私を疑い、いつ離婚となってもいいように準備を進めていたんですね。
暴言を吐かれることより、常に疑われているという現実に直面したことが悲しかったです。
ここから、私自身も自分の身を守らねばと思うようになりました。
【モラハラに悩んでいるすべての人へ】あの頃の私へ
「お前は信用できない」
「嘘つき」
モラハラ夫からそんな言葉を投げかけられている場合、あなたは本当に嘘つきなの?
信用できない人なの?
それはきっと、彼らが人を信用できない人間だから。
彼らが平気で嘘をつく人間だから。
あなたを嘘つき呼ばわりすることで、彼ら自身を守っているに過ぎないということを知りました。
信用されていない、常に疑われているパートナーと一緒にいるなら、ひとりでいたほうがマシです。
本来なら明るく優しく、人からの信頼も得られるあなたなのに、そんな人生を過ごすのはもったいない。
「離婚」「別れ」というのは残るも地獄、決めるまでの道のり、そして決めた後もイバラの道。
それでも、何かを決めてみよう。
人生を切り開くのは、己の決断のみである。
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